Web広告やダイレクトメールなど、入塾や入会を獲得するための販促方法はたくさんありますが、ピアノ教室の生徒獲得において「チラシ」は有効なマーケティング手法です。
でもデザインに自信がない方や、チラシを作った経験が無いというピアノ教室経営者の方もいらっしゃると思います。
でも、心配はいりません。
今回は、初めてチラシ作りをする方やデザインの知識・経験がない方でも活用できるように、チラシのデザインとメッセージ作成の秘訣や、チラシの効果測定の仕方について詳しく説明します。
1．ピアノ教室のチラシの目的と効果
ピアノ教室の大きな特徴として、実際に教室でピアノを弾きながらレッスンを行うため、ピアノのある空間が必要になります。つまり、ピアノ教室は店舗型の可能性が非常に高いということになります。
そうなると、著名な先生が教える教室などでない限り、集客範囲は自然と店舗周辺に限られてきます。
次にピアノ教室に通う生徒を分析してみると、明確にピアノを習うということを決めている場合もありますが、ギターなど他の音楽教室の中からピアノを選択したという場合も一定数含まれるので、ピアノ教室の競合は近所の音楽教室になります。
集客エリアに居住する生徒を複数の音楽教室で取り合うことになるため、まず行わなくてはならないのはピアノ教室の存在や特長を訴求することです。ビジネスの特性上、すでに他の音楽教室に通っている生徒を獲得することは非常に難しいので、音楽教室を検討している顧客層に対しての訴求が重要となります。
そこで便利なのがチラシの配布です。例えば、新聞の挟み込みやポスティングでは、地域を限定した広告ができますし、地域に居住する方が多数集まる地域イベントなどでの設置や配布でも活用できます。
また、配布したチラシの誌面を通じて、ピアノ教室の特長や強み、雰囲気を伝えることもできますので、ブランディングや教室のイメージ形成にも繋げることができます。
2．デザインの基本原則
それでは実際にピアノ教室のチラシ作成についての話に入っていきます。チラシのデザインで考慮したほうが良い基本原則4点について説明します。
シンプルさ
ピアノ教室に通う多くは小学生などの子どもになります。そのため、クリーンで明るい印象を抱かせるようなものにしましょう。掲載内容は、必要な情報のみを記載し、適度な余白の活用した分かりやすい見た目のものにしましょう。
実はピアノ関連のチラシ（主にコンサートチラシ）は黒など暗い色やシックなイメージになりがちで、自身が奏者の場合、そういったデザインに慣れているピアノ教室経営者が多いので注意が必要です。
視線誘導
人はチラシや雑誌などを見る際に、無意識に左上を最初に見て、そこから右や右下方向を見るという決まった視線の動かし方をします。
そのため、左上部分に伝えたい情報を配置するなど、重要な情報をどこに配置するのかを視線の癖を考慮して決めましょう。 また、配置するだけでなく、さらに効果を上げるために、色や形でアクセントをつけると、さらに目立ちやすく見やすくなります。
読みやすさ
チラシを手に取った人が見やすいフォントサイズやフォントの種類を選定しましょう。フォントは種類により与える印象を変えることができますので、その辺りも含めて選定しましょう。
チラシには必要情報のみを入れるとお伝えした通り、文字数は多くないほうが良いですが、文章が長くなってしまう箇所では適度に改行を入れたり、行間を調整すると読みやすくなります。
また、階層構造を使うなど整理された情報掲載が見やすいチラシにするコツです。
画像・イラスト
チラシを手に取る時のことを想像してみると分かりますが、1秒もないくらいの一瞬で手に取る、取らないの判断がされます。新聞やDMへのチラシの挟み込みの場合も同様です。
多くの場合、手に取るという判断は、気になる画像や気になるキーワードが目に入った場合に限られると思いますので、イラストも含めて視覚的に訴求していきましょう。
ピアノ教室のチラシでは、教室の雰囲気を伝える写真は重要です。
実際に教えている写真や教室の写真などを読み手に伝わるくらいの大きさで高品質なものを掲載しましょう。またスタインウェイなど高級なピアノ設備がある場合はそれ自体でプラス評価される方がいますので、設備についてのアピールも有効です。
3．魅力的なメッセージの作り方
手に取ってもらえる魅力的なチラシに含める必要情報についてまとめていきます。
キャッチコピー
作成しようとしているチラシのタイトルにもなる可能性がありますが、チラシを手に取ってもらえるかどうかが決まる部分でもあるので、興味を引くフレーズを考える必要があります。
ピアノ教室の目標や特長などイメージの伝わるものを短くてインパクトのある言葉で表現しましょう。 また、キャッチコピーとは異なりますが、「無料体験」や「割引キャンペーン」など「無料や割引」というキーワードは比較的反応が取れますので、色やアクセントをつけて訴求すると良いでしょう。
講師・カリキュラム紹介
まず重要なのは教える人が誰なのかを明示することですので、透明性の観点から講師の経歴・実績は必ず記載しましょう。
そして、その講師がどういったことを、何を使って教えるのかを顧客は知りたがっていますので、記載しましょう。オリジナルの教材やカリキュラムなどがある場合は、他校との差別化になりますので、写真や画像を使いながら分かりやすく説明すると良いです。
次に、募集対象とする生徒像が決まっている場合にはミスマッチを防ぐためにも宣言しておきましょう。例えば、初心者可であったり、上級者のみといった部分や、生徒の年齢などについてです。
特典・キャンペーン情報
ピアノ教室のチラシを手に取ってもらうためや、チラシを手に取った人を申込みにつなげる施策として有効な施策がありますので、これらを含めたチラシを作成すると一定の効果が見込めます。
- 体験レッスンの案内
- 割引やキャンペーンの案内
- 期間限定や先着順などの限定性かつ緊急性のある案内
4．チラシの効果測定と改善
ピアノ教室の生徒募集やキャンペーンのチラシを作り配布するだけではなく、効果測定が重要です。どれくらいの効果があったのかを計測し、内容や施策の改善につなげていきます。
チラシ配布の効果測定
問い合わせ数や、体験レッスンの申込数など、チラシの内容により目的や導線が変わりますが、問い合わせや申込完了時に「何を見てピアノ教室を知ったのか？」を確認し、配布数との比較をしていきましょう。この時、配布エリアごとに問い合わせ数を計測するとさらに深い分析ができます。
ある程度チラシからの効果が計測出来たら、SNSや口コミとの反応率を比較してみましょう。効率の良い販促方法が見えてくるはずです。
チラシ改善のポイント
例えばチラシ経由で体験に至った場合などはさらに詳しく知るチャンスです。チラシの内容やホームページの印象など、良い点・悪い点を会話の中で聞き出し、デザインやメッセージの内容、他教室との差別化など、改善に結びつく点が無いか情報収集しましょう。
場合によっては配布エリアやターゲットの再検討も必要かもしれませんので、そういった可能性も頭に入れつつヒアリングをしましょう。
5．チラシ配布の方法
ピアノ教室のチラシの効果的な配布場所についてですが、許可が必要なものも含まれますが、住宅、商業施設、学校・幼稚園・保育園、駅周辺や公共施設、地域掲示板などが挙げられます。
最近はポスティングが禁止される場所が増えていますので配布には注意が必要ですが、新聞などの挟み込みという方法もありますので、チラシはまだまだ活用できます。
次に配布のタイミングと頻度についてですが、瞬間的に効果を発揮するのであれば、学期開始の少し前は他の時期と比較し反応が良いです。
SCHOOL MANAGERでの調査によると、入塾や入会の3か月以上前から塾や習い事を探している家庭は約68%で、その内の約半数は6か月以上前から探していることが分かっています。
そのため、認知向上目的で定期的にチラシ配布していると、潜在層が顕在層に変わったタイミングでリーチできる可能性があります。中には興味のあるチラシを保管しておき、時期が来たら問い合わせをするというケースもあります。
その他では、他の教室との共同配布や、地域イベントでの配布や設置が考えられます。
また、郵便局にはチラシやポスターを設置する広告枠が設けられています。料金も比較的安価であり、地域の居住者が度々訪れる施設ですので、ピアノ教室など地域密着型ビジネスの集客には適しています。実際にチラシを設置してみて、どれくらい減っているのかを確認するなどし、集客につながりやすい郵便局を見つけるのも良いでしょう。
まとめ
チラシデザインの基本原則である、「シンプルさ・視線誘導・読みやすさ・画像・イラスト」に注意しながら、講師紹介やカリキュラムなどピアノ教室の特長を要素として入れ込みピアノ教室の魅力が伝わるチラシを作成すると良いです。
あれもこれも入れたくなるところですが、チラシはまず手に取ってもらうのが第一目標になりますので、チラシに入れる要素の精査に集中しましょう。そして、手に取ってもらった後のために、申し込むことで何が得られるのか？について必ず含めましょう。レッスン料を支払う対価が何なのかを伝えることがポイントです。
チラシやその他の施策の改善につなげるためにも、効果測定を怠ってはいけません。
体験時や入会後にヒアリングをするのは勿論ですが、チラシからピアノ教室のサイトへ誘導する場合は、配布エリアごとにパラメーターを振りQRコードを分けるなど、数値分析をするための準備をしておきましょう。
ここまでピアノ教室のチラシの効果と集客成功のためのデザイン＆メッセージ作成の秘訣についてお伝えしてきましたが、できるか不安な方もいらっしゃると思います。
そのような場合はSCHOOL MANAGERにご相談ください。
貴校の魅力を引き出した集客チラシの作成や改善、集客施策をプロがお手伝いします。
また、チラシに限らず、塾や教室の集客全体のご相談も可能です。
