塾や教室などのスクールでは管理するべき情報が多くあります。
これらを効率的に整理して管理できる便利ツールが生徒管理システムです。
この生徒管理システムは塾や教室などのスクールに特化した業務管理システムです。
この章では、様々なスクールに生徒管理システムを導入してきたプロが、スクール業務を効率化する方法を紹介します。
1．生徒管理システムの基本機能
まずは生徒管理システムが持つ、様々な機能について確認していきましょう。
メーカーや利用プランにより異なりますが、ここでは生徒管理システムに含まれる基本的な機能について紹介します。
生徒情報管理
生徒管理システムの中心となる機能が生徒情報管理になります。この機能では生徒や保護者の連絡先を含めた情報の管理ができます。
そして、その生徒情報に紐づける形で、成績や進度の管理もできるようになります。
■関連記事：スクール管理システムの活用方法【生徒情報登録編】
予約管理
次に生徒の授業やレッスンの管理です。
まず、生徒の授業予定を登録・管理するためには、システムに授業やレッスンの枠を登録する必要があります。
そうすることで、クラス編成や担当講師の割り当ても行えるようになります。
この生成された授業やレッスン枠に予約や申込みをすることで、スクール側ではどの生徒がどの授業に参加するのかを把握することができるようになります。
また、出席や欠席情報の付加をすると出欠管理ができるようになり、システムによっては振替授業の管理もできるものがあります。
コミュニケーション機能
塾や教室などスクール運営では、生徒側への連絡事項が定期的に発生しますので、メールのように保護者や生徒側に情報を伝達できるコミュニケーション機能が含まれているものが多いです。
活用イメージとしては、新学年や新しい期に関する案内、定期的に送るお知らせ、イベント情報、夏季などの集中講座など案内が該当します。
保護者や生徒とスクールの双方向でのコミュニケーションが必要な場合もありますが、一方的なお知らせで十分対応できる場合がほとんどです。 仮に双方向コミュニケーションが必要な場合は、例えばメールなど、システム外のツールで対応することもできますので、必ずしも生徒管理システム内で完結しなければならないということではありません。
2．効率化を実現するための導入方法
生徒管理システムの導入目的は塾や教室などのスクール運営の効率化です。
そのためには、まず効率化したい業務は何なのか？を把握する必要があります。
また、生徒管理システム導入前後では運用体制やルールに影響が出ますので、導入後の運用イメージも持っておくことが重要です。
目的に合ったシステムの選定
自校が抱える運営上の課題や業務遂行上の課題など、特に効率の悪い部分やリスク面を中心にリストアップしてみましょう。そしてそれらを解決するための機能が含まれているツールを選定しましょう。システム利用料がいくらなのかもあわせて調べてください。
また、補足ですが、予め用意されている機能では課題解決ができない場合が良くあります。しかし、機能をカスタマイズすることで自校の運営に合う形にでき、課題が解決できる場合もありますので、カスタマイズが可能なシステムかどうかの確認もしてみましょう。
社内体制の整備
生徒管理システムを導入することで、これまでとは運用ルールが変わる可能性が高いです。
その変化は社内だけにとどまらず、入塾までのフローや振替のルールなど生徒側にも及ぶ可能性がありますので、それらを見越した社内体制の整備や生徒側への通知の段取りが必要になります。
社内的には、システム導入に伴い不要になる作業や、新らたに発生する作業がありますので、各作業の担当者の選定や割り振りをしておきましょう。
次にシステムの操作面や、運用フローを根付かせるための教育や研修が必要になります。 例えば入力ルールの統一化もそれに当たりますし、問題発生時の対応や報告のルールも必ず決め、社内での漏れのない情報共有や意識の統一を目指しましょう。
3．生徒管理システムで効率化する業務の具体例
一元管理された情報活用
Excelなどでのファイル管理の場合、管理するファイルごとに生徒情報が必要になります。仮に生徒情報に何らかの変更が入った場合は、すべてのファイルを修正する必要がありましたが、生徒管理システムでは生徒情報が一元管理されているため、1ヵ所修正すれば全てのページや帳票に反映されるため、情報のメンテナンスにかかる手間が大幅に削減できます。
また、生徒情報が一元管理されているということは、生徒に紐づく情報を簡単に把握することができるようになります。例えば瞬時に生徒情報を把握したり、成績情報を確認したり、保護者への連絡やその記録の確認などです。
様々なファイルを探したり開いたりする必要がなくなることで、目的の情報を見つけるまでの時間を短縮できます。
授業管理の効率化
予約機能や振替機能がある生徒管理システムの場合、予定していた授業の予約やキャンセル、キャンセル後の振替予約などの操作を生徒側に自由にできるようにすることができます。そうすることで、塾や教室などスクール側へ電話やメールなどが入ることがなくなります。
また、生徒の授業やレッスン枠の生成を自動で行うことができるシステムもありますので、この機能があれば授業やレッスン枠の設定にかかる塾側の手間は大幅に削減できます。
次に宿題や試験結果、お知らせなど情報の共有も対象生徒ごとに送信する必要がなく、システムに登録しておくだけで、対象生徒が見たい時に見られる状況をつくることができますので、メール送信の場合と異なり作業にかかる手間を削減できます。
4．効果的な運用で得られるメリット
収益増加・コスト削減
生徒管理システムの導入で業務の様々な部分にかかる手間の削減ができます。また、情報の転記が不要になるなどで作業が効率化されることで、ミスも減らすことができ、その結果、人件費や印刷代など、塾の運営にかかるコストの削減が実現できます。
新規生徒獲得・定着率向上
業務の効率化により削減できた時間は生徒に費やすことができるようになります。
生徒への対応やサポートに時間を費やすことができるということは、生徒の学習効果や満足度、定着率を向上させることに繋がります。
それは、結果的に保護者からの信頼に繋がり、評判として口コミなどで広がることになります。競争力のある塾へと成長することができます。
データ分析による戦略的経営
生徒管理システムで管理される情報を二次利用することができます。
例えば生徒の平均滞在期間や退会理由など、また複合的な分析に活用することができます。 これによりデータを活用した戦略的な経営が可能になり、集客力の向上などにつなげることができます。
まとめ
生徒管理システムには基本的な機能として、生徒情報・予約・コミュニケーションを管理する機能が搭載されています。このような管理システムを導入することで、塾や教室などスクールの運営を大幅に効率化することができます。
しかし、運用や細かいルールは塾により異なる場合が多いので、基本機能が搭載されているからと言って必ずしも自校に合うとは限りませんので、導入前にデモなどを通じて機能について入念な確認をしましょう。
また明確に言えることとして、開校・開塾に合わせて生徒管理システムを導入することをお勧めします。
その理由は独自の運営ルールが浸透する前に、システムに合わせたルールの構築ができるためです。生徒が少ないとまだ必要ではないと思う塾経営者の方が多いですが、後でシステムに合わせてルールを変更する方が余程大変でリスクがありますので、最初からシステムに合わせた運営ルールを構築することをおすすめします。
次に目的に合ったシステムの選定をするために、自校が抱える運営上の課題や業務遂行上の課題などをリストアップし、解決するための機能が含まれているツールか確認しましょう。
管理システムの機能や特長に合わせて、運営フローや体制も変わる可能性がありますので、導入に関する調査だけではなく、実運用を想定したシステム選定も重要です。
初めてのシステム導入は分からないことだらけで、不安が付きまとうと思います。
ITリテラシーだけでなく、システムに関する知見も少なからず必要になりますので、どのように活用すれば良いのか指針や選択肢を提示してくれるメーカーを選ぶことをおすすめします。
しかしそこまで対応してくれるメーカーはなかなかありませんので見つけるのは困難ですがが、見つけられれば、継続的且つ安定的な運用につなげられる可能性が高くなります。
SCHOOL MANAGERでは、塾や教室などスクールがこれまで運営していたルールなどをヒアリングし、スクールに合ったシステム導入や機能カスタマイズ、運用設計やアドバイスを行っています。
スクール業務を効率的な運用に切り替えたいとお考えの塾経営者の方は是非お問い合わせください。
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