塾や教室などスクールを運営する上で手間となる業務がいくつかあります。授業やレッスンの予約管理（振替・キャンセルを含む）・出欠管理・月謝や授業料の集金などが運用次第では大きな手間となります。
それらの手間の削減には管理システムの導入が効果的です。
今回は、塾や教室などの教育施設が管理システムを導入するメリット・デメリットと初心者でも使いやすいシステムの選び方を紹介します。
1．生徒管理システム導入のメリット
生徒管理の効率化
塾や教室などスクールで管理する情報の中心は生徒情報です。この生徒情報に様々な情報を紐づけして管理されます。
管理システムを導入していない場合、例えば出欠情報にも生徒情報が含まれていたり、成績情報にも生徒情報が含まれるなど、同じ情報を複数の管理ファイルに反映する必要があります。
しかし、管理システムを導入すれば、生徒に関する情報は一元管理されるため、例えば、出席情報や成績管理、個別の進度管理、試験や課題の管理など、複数のファイルにて管理する必要がなくなります。これにより転記作業や情報更新によるメンテナンス作業が大幅に削減できます。
スクールや講師とのコミュニケーション向上
管理システムの導入によりスクールや講師との情報共有がスムーズになります。
例えばスケジュールについては、生徒が予約するスタイルの場合でも、決まった日時に通うスタイルの場合でも、管理システムのマイページを確認すれば過去や未来の予約についてすぐに確認することができますし、それに合わせて担当の講師や教室情報についても確認することができます。
これにより、スクールで紙の案内や説明会をわざわざ行わなくても、生徒や保護者に必要な情報を管理システムに登録することで、いつでも届けることができます。
また、学習支援機能（LMS－Learning Management System）がある場合は、授業やレッスンに合わせた宿題のプリントや解説動画などを予め設定しておいた日時で生徒に共有することもできますし、チャット機能がある場合にはスクールや講師と保護者や生徒の双方向によるメッセージやファイル類のやり取りができますので、コミュニケーションの向上は維持しつつ、塾で発生する電話対応などの手間を減らすことができます。
財務管理の最適化
講師の稼働時間に合わせた報酬計算や経費管理、売上分析・予算立案などを行うことができるシステムもあります。
この辺りはスクールごとに管理したい項目や、管理するためのルールが異なることが多く、独自にカスタマイズを施す必要がありますので、導入前に機能的な確認を入念に行いましょう。
2．生徒管理システム導入のデメリット
管理システムには大きく分けて3種類に分かれます。
- インターネット経由で他校と同じ機能を利用するもの
- インターネット経由で自校だけの機能を利用するもの
- PCなどの端末にインストールして利用するもの
１の場合は機能が共通化されているため、システム導入費や維持費などは比較的安価になります。機能アップデートもメーカー側で行われますので、システムを維持するためのコストや手間は一番少ない形になります。デメリットとしては、他校と共通のシステムを利用しているため、個別の要望やカスタマイズが反映できないという点があります。
２の場合は、他校に影響がでない形式のため、独自のカスタマイズにも対応ができますが、導入費や維持費が比較的高額になりやすい形式です。
しかし、最大のメリットは自校独自のルールや欲しい機能を実装できるという点です。
大規模校では複雑な管理が求められるケースもありますので、そういった場合には適した形式になります。
３はPCにインストール形式になりますので、PC利用者しか機能を使うことができません。データの連携も行われないため、個人塾などでは良いですが、講師やスタッフが複数所属している場合の活用には向かない形式になります。
3．初心者でもわかる生徒管理システムの選び方
管理システムの導入で重要なポイントは、目的に応じた機能選定と費用とサポートで判断すると良いでしょう。当たり前ですが、多機能になれば利用料は高額になりやすいです。
まず、導入目的に応じた必要な機能のリストアップを行いましょう。
次に、生徒数の増加や、年度が変わる際に、リストアップした機能だけで十分に対応できるのか確認しましょう。拡張の必要があればそれが可能なのか？ということも確認しましょう。
実際に機能の操作感を確認したい場合は、デモンストレーションを依頼するなど、実際に機能を操作してみることで不安や懸念は解消されますので活用しましょう。
また、サポート体制の有無はシステム活用については重要です。
その中で特に重要なのは自分のスクールでどのように活用すれば良いのか指針を示してくれるメーカーを選択することです。 ここまで対応してくれるメーカーは非常に少ないですが、このようなサポートをしてくれるメーカーを見つけられれば、安定的な運用につなげられる可能性が高くなります。
4．生徒管理システム導入前の準備ポイント
管理システムに限らずですが、システムを導入することで運用フローが大きく変わります。その影響は社内だけにとどまらず、入塾までのフローや振替のルールなど生徒側にも及ぶ可能性があります。それらを見越した社内体制の整備や生徒側への通知の段取りをしましょう。
社内的には、システム導入することで不要になる作業や、新しく発生する作業がありますので、その担当者の選定や役割分担をしておきましょう。
次にシステムの操作面だけではなく、運用フローを根付かせるための教育や研修が必要になります。 その中には、問題が発生した場合のルールも必ず含むようにし、社内での漏れのない情報共有や意識の統一を目指しましょう。
5．生徒管理システムの追加開発・カスタマイズポイント
システム導入前に想定していた事が、実運用を経験することで変わることはよくあります。これは導入前に見えていなかったことが顕在化するためです。
機能追加で改善できる場合は、システムの改修やカスタマイズの影響範囲を把握し、費用算出を依頼しましょう。
初期導入時にカスタマイズを施しているなど、運用中のシステムが複雑な場合は、改修による影響範囲が広くなる可能性がありますので、システム導入のタイミングで、システムやITに明るい担当者を用意することをおすすめします。
6．生徒管理システム導入で得られる効果と注意すべき点
【導入が成功した場合】
- 効率的な塾や教室などスクールの運営・業務改善
- 保護者や生徒の満足度の向上
- 人件費などコスト削減による収益拡大・経営改革
【導入がうまくいかなかった場合】
- 社内での利用が浸透しない
- コスト削減が実現できず、システム導入のコストが回収できない
【導入時に注意すべきこと】
社内外問わず、管理システムの利用が浸透しないケースでは、積極的なシステム活用を行っていないことが挙げられます。
例えば提出物は必ずシステム経由で行ったり、予定は必ずシステム内に掲載するなど、とにかく導入したシステムを介して行うようにしましょう。そうすることでスクール側も保護者側も管理システムの活用を習慣化できます。
次に完璧なシステムを目指す必要は有りません。
完璧を目指してしまうと、無理なカスタマイズを行ってしまう場合もあります。 管理システムが持つ機能と運用で最適なスクール運営を行いましょう。
まとめ
管理システムの導入で、大きく変わる点は、情報が一元管理できるため、塾や教室などスクールで発生する、情報管理が簡素化できるということです。塾が扱う多くの情報は、生徒情報に紐づくものなので、成績や出欠といった異なる情報の管理やメンテナンスが楽になります。
また、講師に紐づく情報も登録できることから、報酬計算や経費管理、売上分析・予算立案などの管理も行うことができ、スクール運営で発生する管理業務の効率化が図れます。
次に、塾側はシステム初心者の方も多いと思いますので、そういった方にも使いやすいシステムの選び方と導入前の準備についてご紹介しました。
特に重要なのはメーカーのサポート体制であることをご説明しましたが、このサポートが正しく機能すれば、管理システムの選択や、その効果的な活用方法など、スムーズな管理システムの導入につなげることができるので、多くの塾や教室などスクールで発生している煩雑な管理業務を大きく改善することができます。 そして、改善によりできた時間を保護者や生徒とのコミュニケーションに充てることができますので、本記事を通して管理システムの導入によるメリットの大きさを感じていただけたのではないかと思います。
SCHOOL MANAGERでは、塾や教室などスクールがこれまで運営していたルールなどをヒアリングさせていただきながらスクールに合ったシステムの導入を行っています。
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