月謝を現金手渡しや銀行振込などで対応中のスクール経営者の方や、これからスクールの新規開業をお考えの方向けに、口座振替で月謝を収納するメリットとデメリットについて解説します。
導入方法や手数料についても詳しく解説しますので、口座振替を導入する際の参考にしてください。
口座振替のメリット
未回収リスクの軽減
塾などスクール運営で最も避けたいことは、月謝の滞納や支払い忘れによる未回収でしょう。口座振替では、スクール側が設定した決済金額が、決まった日付で対象の銀行口座から引き落とされます。そのため、生徒が現金を用意したり、ATMやネットバンクにログインして、振込操作を行う必要が無いため、振込作業忘れによる未払いリスクが低減できます。
つまり、支払いを生徒側の操作に委ねる「現金手渡し・銀行振込」に対して、塾などスクール側の操作によって月謝を引き落とすことができるのが「口座振替」の強みです。
事務作業の負担軽減
銀行振込や現金回収の場合には、スクール側で入金・未入金の確認作業が必要になりますし、口座名義と生徒名が一致せず、どの生徒からの入金なのかを調べるのに時間がかかる場合があります。さらに、管理のためにExcelや台帳などを作成して管理する必要も出てくるため、事務作業面で大きな手間がかかります。
しかし、口座振替を活用すると、入金・未入金の確認をシステムが自動で行ってくれるので、確認作業にかかる時間を節約できます。
また、回収された月謝はスクールの口座に手数料を差し引かれて、決済会社から一括入金されますので、スクールの会計処理でも全生徒分の入力をする必要が無く、大幅な事務作業の削減が可能です。
利用継続率の向上
現代では決済面でのIT化や自動化が進んでいますので、現金手渡しや銀行振り込みなど旧態依然の方法では生徒や保護者に大きな手間をかけると同時に、古い対応による不安感を与える可能性すらあります。
しかし、口座振替を導入すれば、生徒や保護者にかかる支払いの手間を減らすことができますし、しっかりしたスクールであるという印象も与えられ、結果的に安心感や顧客満足度の向上につなげられる可能性があります。
トラブルの回避
特に現金手渡しの場合、紛失や金額の不一致など、納付面で様々なリスクがあります。
しかし、口座振替の場合は取引記録が口座に記録されるなど、明確になるため、「払った・払っていない」などのトラブルや紛争を回避することができます。
口座振替のデメリット
入金までのラグ
口座振替は決まったスケジュールで決済されるため、即時決済とはならず、月謝がスクールの口座に入金されるまでに数週間程度のタイムラグが生じます。
また、新規生徒の場合、口座振替を開始するまでに時間がかかります。一般的な口座振替では、「口座登録依頼書」と言われる口座を登録するための複写式の紙のやり取りが必要になります。
生徒側が記入した「口座登録依頼書」を塾やスクールが回収し、決済会社に郵送しなければなりません。そうすることで口座が登録されるのですが、生徒側も提出を忘れるなど、塾やスクールがすぐに依頼書を回収できない場合、「口座登録依頼書」が差し戻される場合もあり、口座登録までに時間がかかる場合があります。
生徒の残高不足による回収不能リスク
決済日に対象となる銀行口座の残高が不足していると、引き落としができないため、未回収となってしまいます。
塾やスクールの場合は、前払いでの決済が基本となるので、未払いの生徒には役務提供をしなければ良いわけで、運営上の問題は少ないです。しかし、未払いの場合は、例えば銀行振込や次月にまとめて支払いなど、個別に対応する手間が少なからず発生してしまいます。
口座振替の手数料
口座振替サービスは様々な企業が提供していますので、発生する費用や特長はそれぞれ異なりますが、一般的には初期費用と決済ごとに発生する決済代行手数料が中心になります。※初期費用については発生しないサービスも存在します。
それ以外に発生する費用としては、決済会社が回収した月謝を一括でスクールに戻す際の振込手数料などが挙げられます。
口座振替を活用すべき塾・スクール経営者の検討材料
この章では、上記のメリットやデメリットを踏まえ、口座振替の活用が効果的と考えられる場合や、逆にそれ以外の方法が効果的と考えられる場合について紹介します。
口座振替のメリットが大きいスクール
・多数の生徒を抱えており、銀行振込や手渡しでは月謝収納に大きな手間がかかるスクール。
※所属生徒数が30~50名を超えると、銀行振込や手渡しでは非効率です。
・事務作業の負担を軽減し、スタッフの時間を他の業務に割り当てたいと考える。
・未払いリスクを最小限に抑え、財務の安定性を重視するスクール。
・顧客(生徒や保護者)の支払いの手間を減らし、サービスの利用体験を向上させたいスクール。
口座振替以外の方法を検討の可能性がある経営者
・生徒数が少なく、個別の対応が可能な規模のスクール。
・口座振替の導入に伴う初期投資や各種手数料が負担となるスクール。
・生徒や保護者との個別の関係構築や、現金・スマホなどその他柔軟な支払い対応を重視するスクール。
まとめ
生徒数が多い大規模なスクールでは口座振替の導入で、多くの恩恵が得られます。逆に小規模スクールではそれほど多くの恩恵は得られないでしょう。
しかし、スクール事業は一定数までは、生徒が増えていきますので、口座振替導入のメリットが感じられる30名~50名程度の規模までは開業から1年以内に到達してしまうケースが多いです。
そう考えれば、極端な少人数制のスクールでない限りは、開業時からの導入をおすすめします。理由としましては、途中で決済ルールを変更することによるスクール側の運用の変更や、その周知や合意に相当な手間がかかる場合が多いためです。
スクールごとに状況や都合などあると思いますし、世の中には多くの口座振替サービスがあり手数料なども安価なものから高額なものまで様々ですので、自校の運用に合い、低コストで利用できるサービスを探してみましょう。
SCHOOL MANAGERでも月謝の口座振替サービスをご用意しています。
集金代行手数料は1件68円(税抜)と安価で、紙の口座登録依頼書の取り扱いが不要なインターネット口座振替受付にも対応しています。
また、プランも充実しています。例えば口座振替機能のみの利用が可能なLiteプランや、生徒の管理やレッスンの予約管理などができる、スクール管理機能が付帯されたStandardプランなど複数用意があります。
そのため開業初期はLiteプランを利用し、生徒が増えたらStandardプランにアップグレードするというような活用も可能です。
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