塾の生徒募集は塾ビジネスの成長と継続性においてとても重要です。また、競合となる塾やスクールに対しても、優位となり競争力を持つことができます。
本記事では、塾の生徒募集を成功させるための戦略とヒントを紹介します。詳細な説明や具体的なアクションについても記載しますので、これまでの集客施策と比較し、改善に活用できそうな部分は是非取り入れてみてください。
塾の生徒募集と生徒集めの現状と課題
塾の生徒募集の市場状況:成功へのヒント
少子化の問題もあり、塾の生徒募集の競争は激化しています。
経済産業省の特定サービス産業実態調査によると集団・個別の指導方式に関わらず、塾に通う生徒数が減少していることが分かります。
総生徒数は2014年から2018年のたった5年で通塾する生徒が100万人減少し、2014年の3/4となっています。
事業所数ベースで見ると、2014年は1事業所あたりの生徒数が83.19人に対し、2018年では66.80人と大きく減っています。 その後の調査数値は有りませんが、少子化の拡大、新型コロナウイルス感染症やエネルギー価格高騰などの影響でさらに厳しいものになっていることは明らかです。
塾の生徒募集の主な課題:生徒募集方法の改善点
競争が激化する塾業界において、新規生徒の獲得、退塾率の改善、ブランド認知度の向上などが重要となります。これらのポイントはどれもすぐに達成できるものではなく、時間をかけて成熟または完成させていくものであるため、課題となっている部分については長期的に塾経営に影響を与えることになります。
また、世の中のトレンドやサービスは不変ではなく、常に変化します。さらに現代では、その変化がとても速いため、先読みした対応や取り組みも必要になりますので、課題の改善には早く取り込む必要があります。
塾業界でのデジタルマーケティングの利用
インターネット環境が当たり前となる中では、チラシや看板などの伝統的な手法よりデジタルマーケティングがさらに重要になります。
基本的な部分として、SEO対策、オンライン広告やソーシャルメディアの活用が挙げられます。
SEO対策ではキーワードリサーチ、リンクビルディングなどの基本的なSEO対策を行いましょう。
ソーシャルメディアでは口コミや評判の拡散に役立ちます。塾集客の約40%は口コミ経由と言われますので、押さえておきたい施策でもあります。また、ソーシャルメディア上に広告を出すこともできますので潜在顧客への宣伝に活用することもできます。
オンライン広告では、検索と連動させて広告を出したい場合はPPC広告、認知向上やブランディング構築をしたい場合はディスプレイ広告を活用しましょう。
SEO対策やソーシャルメディアでの施策は一定の効果を発揮するまでに数ヶ月単位の時間がかかります。そのため、集客を急ぐ必要がある場合や、従来の施策にプラスして集客を強化したい場合には、オンライン広告を活用すると良いです。
■関連記事:塾集客の成功への道|集客方法トップ10の紹介
塾の生徒募集に成功するための戦略:具体的な生徒募集方法
目標設定と計画作成
施策の運用には目標を立てることが重要です。
しかし、目標設定の仕方が分からないという方も多いと思いますので、この章ではSMARTの法則に沿った目標設定とその重要性について簡単に説明します。
SMARTの法則とは、Specific(具体的)、Measurable(計測可能)、Assignable(実現可能)、Realistic(現実的)、Time-related(期限が明確)の5つの要素で構成されます。1981年に提唱された少し古い法則で目標達成に効果的であることから現在でも活用される法則です。
塾業界に限った話ではないですが、漠然となんとなく集客を行っている場合は集客が伸び悩んでいることがとても多く、そこから早く脱却しないと集客を成功させることが難しいため、効果のあるSMARTの法則を紹介しています。
例えば、開業後3ヶ月後までに、50人の生徒獲得することを目標としたとします。
その目標を実現するためには、それぞれのマーケティングチャネルで何件の問い合わせが必要で、そのうちの何割が体験レッスンに参加し、最終的に何人が入塾するのか?というように、目標の数的根拠含めすべて具体的に設定します。
しかし、どんなに頑張っても最初から正確にはいきません。期間が増えるなどでサンプルデータが増えれば増えるほど、数的根拠は正確になりますので、大きくずれている場合は、正しい数値に修正し、施策も見直しながら目標達成を目指しましょう。
マーケティングチャネルの選択
塾の生徒募集で、ひと昔前まで主流だった伝統的なマーケティングチャネルである紙媒体を活用した広告では、配布対象やエリアの選定はしつつも、本当に対象者に届いているかは分からないため、目に触れる頻度を増やすことで効果を上げてきました。
しかし、現在の生徒募集の主流はSEO、ソーシャルメディア、PPC広告といった、デジタルマーケティングチャネルに変わってきています。
スマートフォンの普及や高機能化が進み、いつでもどこにいても情報や広告に接することができる状態にあります。そして、ユーザーの検索履歴やアクセスしたWebサイトなどに合わせて最適な検索結果や広告を表示できる(パーソナライズド検索・パーソナライズド広告)ようになっているため、紙媒体でのアプローチより対象者に比較的正確に届きやすくなっています。
また、広告費も上限が設定できるなど柔軟で、広告効果の計測もできる点もメリットです。
しかし、だからといって紙媒体が良くないということではありません。
伝統的な紙媒体はローカルマーケティングに強く、デジタルマーケティングチャネルより反応が良い場合もあります。
例えば、塾の生徒募集ではチラシの活用は有効です。また、QRをつけることで、Webサイトへの誘導もできるため、デジタル媒体と紙媒体を融合させた募集戦略としての活用もできます。
■関連記事:【調査データ付き】Web広告からチラシまで!塾広告のメディア別効果と活用法
メッセージ作成とブランド戦略
安定的な生徒の集客には口コミなどを含めて、世間に認知されていることが重要ですが、そこまでになるためには地道にブランド構築をする必要があります。
商品やサービスが持っている独自の強み(USP)、経験談やエピソードなどを活用し、興味を引くメッセージをしっかりと継続的に発信しましょう。また、実体が伴っていないといくら発信しても逆効果ですので、背伸びする必要はありません。
そうした発信や日々の積み上げを続けることで、個性のある特長的なブランド構築ができ、認知を高めることができます。
デジタルマーケティングによる塾の生徒募集の最適化:効果的な方法と例
SEOを活用した塾の生徒募集
広告や比較サイト、紙媒体など様々な媒体を通じてユーザーは塾のことを知るわけですが、掲載料金など費用がかかるものがあります。特に広告などは掲載を止めてしまうと途端に集客が止まってしまうため、継続的に掲載となると年間で相当量の広告費が発生してしまいます。
そこで有効なのが、塾の公式サイトを検索に強くするSEO対策です。まず、キーワードリサーチを行い、ユーザーがどのようなキーワードで検索しているのかを把握しましょう。
次にキーワードリサーチ結果を反映した質の高いコンテンツの作成や、タイトルタグや見出しの最適化・内部リンクの設置などのオンページSEO(内部施策)を行いましょう。
最後にオフページSEO(外部施策)となる、被リンクの獲得をできる範囲で目指しましょう。
ソーシャルメディアマーケティングの活用
総務省が発表した「令和4年通信利用動向調査」によるとスマートフォンの世帯での保有割合が90.1%となり、個人の保有割合でも77.3%と伸びています。また、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用する個人の割合は80%台に達し、堅調に伸び続けていることが分かります。
このような状況から、ソーシャルメディアを上手く活用することで、塾の集客増に繋げることができます。この章では主要なソーシャルメディアとその活用例を紹介します。
- Facebookの特性と活用例
基本的に実名での利用となるのが最大の特徴です。 実名登録制のため、実生活とリンクしやすいメディアです。日本では30~60代の利用率が非常に高いです。
塾サイトに掲載したコンテンツをFacebook上にも掲載することができますし、写真や動画で入塾しないと見ることのできない塾の様子を発信することもできます。
- Instagramの特性と活用例
画像や動画だけで投稿ができ、ユーザー同士で共有できます。Instagram自体の拡散力は低いですが、他のSNSと連携しやすくなっています。
日本では10~40代の利用が中心で女性比率が高いメディアです。
URLリンクや問合せボタン、電話ボタンなど、ユーザーに次のアクションを促すためのボタンの設置ができるため、塾サイトへの誘導が可能です。DM機能もあるので 気軽に問い合わせに繋げることもできます。
- Twitterの特性と活用例
20代の利用がもっとも多く、年代が上がるほど男性の利用率が高いメディアです。
Twitterの一番の特徴はリツイート機能です。
投稿したツイートが他のユーザーにリツイートされることで、Twitterアカウントをフォローしていない多くのユーザーにも情報が拡散できます。また、配信したツイートの効果を測定する指標ともなるので、反応の良いツイートを見つけましょう。
まとめ:効果的な生徒募集方法とデジタルマーケティングの活用
塾の生徒募集を成功させるためには、デジタルマーケティングの活用が必要不可欠であることをお伝えしました。
塾業界はデジタルマーケティングへの移行が遅れている業界ではありますが、その中でも個人経営の塾は取り組みすらしていないケースも多くあります。
まず柱となるのは塾の公式サイトになりますので、スマートフォン対応(レスポンシブ対応)やSSL対応などを施し、今の時代に合ったものにしましょう。
SCHOOL MANAGERではサイト構築サービスを用意していますので、サイトのリニューアルや新規構築でお困りの場合はお気軽にお問い合わせください。SEOの知識を持つスタッフが対応させていただきます。
次に塾のブランディングや口コミの拡散といった集客戦略では、従来の紙媒体だけではなく、SNSの活用やインターネット広告も視野に入れましょう。
様々なメディアやツールが存在するため、初めてインターネット広告などに取り組む場合には難しい面もあるかもしれません。SCHOOL MANAGERではインターネット広告を活用した集客サービスを提供していますので、そういった場合でもお気軽にご相談ください。